上記の悩みを解決し、記事を読み終えれば自分にあったパスポートの有効期間を選べるとともに、パスポートの申請で気をつけたいことも知ることができます。
ボクもはじめてのパスポート申請では有効期間でかなり悩みましたが、今では本記事の内容をもとに迷うことなく有効期間を決められています。
まずは「パスポート申請で設けられている年齢制限」を解説し、後半では「パスポートの有効期間を決めるポイント」を紹介します。
本記事は3分ほどで読める内容となっているので、サクッと確認してパスポート申請を早めに済ませましょう。
パスポートの有効期間は5年用と10年用から選べる
日本のパスポートは5種類あり、一般渡航者が申請できるのは「一般旅券5年用(紺色)」と「一般旅券10年用(赤色)」です。
パスポートの申請には年齢制限が設けられており、申請日に18歳以上なら5年用と10年用から選択でき、申請日に18歳未満なら5年用しか選択できません。
パスポートの効力はどちらも同じなので、有効期間の長い10年用の方が優れていることはなく、有効期間・査証欄のページ数・申請手数料が異なるだけです。
未成年者が5年用パスポートしか申請できない理由は容貌の変化が著しいからなんだ…
【結論】申請日に18歳以上なら10年用パスポートがおすすめ
5年用と10年用パスポートのメリット・デメリットを考えると、申請日に18歳以上なら10年用パスポートがおすすめ。
多くの国では入国またはビザ発給の条件として3~6ヶ月以上の残存有効期間、2~3頁以上の未使用査証欄を求めており、これらが不足しているパスポートでは出入国できません。
5年用パスポートは初期費用を安く抑えられるものの、各国が求める残存有効期間を考慮すると実質4年半ほどしか使えず、あっという間に更新時期がきます。
申請日に18歳以上なら10年用がおすすめですが、「初回の申請手数料をどうしても抑えたい人」や「今後10年間は海外旅行へいかない人」は5年用を選択するのが良さそうです。
5年用パスポートの
メリット
- 初回の申請手数料が10年用より5,000円安い
- 顔写真を5年ごとに変えられる
- パスポートを紛失したときの損失が小さい
5年用パスポートの
デメリット
- 5年毎に切替申請する必要がある
- 査証欄が10年用より16ページ少ない
- 10年間所持するなら10年用より割高
10年用パスポートの
メリット
- 10年間所持するなら5年用より割安
- 切替申請を5年毎にしなくて済む
- 査証欄が5年用より16ページ多い
10年用パスポートの
デメリット
- 初回の申請手数料が5年用より5,000円高い
- パスポートを紛失すると損失が大きい
- 顔写真を10年間変えられない
「残存有効期間」はパスポートの有効期間までの残りの日数、「未使用査証欄」はパスポートの査証欄でスタンプなどが押されていない未使用ページのことだよ
パスポートの有効期間を決める3つのポイント
パスポートを5年用と10年用どちらで申請するか迷ったときは、下記3つのポイントを参考にしましょう。
- パスポートの申請手数料
- 海外へ渡航する頻度
- 将来パスポートの記載事項を変更しそうか
それぞれ解説していきます。
1:パスポートの申請手数料
パスポート申請の種類 | 都道府県収入証紙 | 収入印紙 | 合計 |
---|---|---|---|
10年間有効 | 2,000円 | 14,000円 | 16,000円 |
5年間有効(12歳以上) | 2,000円 | 9,000円 | 11,000円 |
5年間有効(12歳未満) | 2,000円 | 4,000円 | 6,000円 |
パスポートの新規申請と切替申請でかかる手数料を上記にまとめました。
切替申請は有効期間が近くなったパスポートを新しいものに切り替える申請のことで、旅券番号などが新しくなるため更新ではなく切替と言います。
5年間有効のパスポート(12歳以上)は初回の申請手数料を安く抑えられるものの、10年間で考えると5年後の切替時に11,000円かかるため、10年間有効のパスポートのほうが6,000円安く済みます。
僕がはじめてパスポート申請した際は手数料の安さから5年用を選択しましたが、「数年に1回は海外へ渡航する」のであればトータルでみると10年用のほうがお得です。
2:海外へ渡航する頻度
海外旅行や海外出張で頻繁に渡航する方は、出入国スタンプを押したり、ビザの貼付で使用される査証欄が多い10年用パスポートがおすすめです。
以前はパスポート1冊につき1回のみ有料で査証欄を40ページ増やせたので、海外渡航が多い方は5年用パスポートを選んでいましたが、旅券法の改正に伴い査証欄の増補は廃止されました(偽造・変造防止効果を高めるため)。
5年用は28ページ、10年用は44ページの査証欄が設けられており、余白が少なくなった場合は「切替申請」または「残存有効期間同一旅券申請」で新しいパスポートを作れます。
- 切替申請:5年用11,000円(12歳未満は6,000円)、10年用16,000円
- 残存有効期間同一旅券申請:5年用・10年用どちらも6,000円
切替申請は現在のパスポートの残存有効期間を引き継がない新しいパスポート、残存有効期間同一旅券申請は現在のパスポートの残存有効期間を引き継いだ新しいパスポートを取得できます。
海外渡航が多い方は10年用で申請しておき、査証欄が少なくなったら手数料の安い残存有効期間同一旅券申請で対応しましょう(残りの有効期間が1~3年なら切替申請がおすすめ)。
どちらの申請も現在のパスポートは失効し、記載事項、サイン、顔写真、旅券番号などが新しく切り替わったパスポートが発給されます。
3:将来パスポートの記載事項を変更しそうか
パスポートを取得後に記載事項(氏名/本籍/性別/生年月日)が変更した場合、下記いずれかの手続きが必要になります。
- 切替申請:現在のパスポートの残存有効期間を引き継がない新しいパスポートを取得できる
→5年用11,000円(12歳未満は6,000円)、10年用16,000円 - 残存有効期間同一旅券申請:現在のパスポートの残存有効期間を引き継いだ新しいパスポートを取得できる
→5年用・10年用どちらも6,000円
将来パスポートの記載事項を変更しそうなら10年用で申請しておき、変更したら残存有効期間同一旅券申請をしましょう(残りの有効期間が1~3年なら切替申請がおすすめ)。
5年用で残存有効期間同一旅券申請をしても、そもそも有効期間が短いのですぐに切替申請の時期がきて申請手数料を無駄にします。
どちらの申請も現在のパスポートは失効し、記載事項、サイン、顔写真、旅券番号などが新しく切り替わったパスポートが発給されます。
- 婚姻や養子縁組などで戸籍上の姓を変更した
- 家庭裁判所の許可を得て戸籍上の姓又は名を変更した
- 本籍の都道府県名を変更した
- 戸籍上の生年月日の変更があったなど
参考氏名・本籍等に変更があった場合|東京都生活文化スポーツ局
補足:パスポートの記載事項を変更するタイミングに注意
パスポートの記載事項に変更を生じた場合は、遅滞なく手続きすることが旅券法で定められていますが、変更せずに渡航しても罰則規定などはありません。
そのため、状況によってはすぐに記載事項の変更をしないほうが良いケースもあります。
たとえば航空券や海外ツアーを旧姓で申し込み、パスポートを新姓に変更してしまうと、当日空港カウンターでパスポートと航空券の名前が違うことを指摘され飛行機に搭乗できません。
予約後の搭乗者氏名の変更はできないケースも多いので、すでに旧姓で航空券などを申し込んでいる場合は、帰国後に記載事項の変更をするのがおすすめです。
航空券を婚姻前のお名前で予約したときは、変更しないでそのままご旅行していただき、帰国後に記載事項変更の申請をしてください。
引用:https://www.city.obihiro.hokkaido.jp/kurashi/koseki/passport/1002473.html
まとめ
10年用パスポートの
メリット
- 10年間所持するなら5年用より割安
- 切替申請を5年毎にしなくて済む
- 査証欄が5年用より16ページ多い
10年用パスポートの
デメリット
- 初回の申請手数料が5年用より5,000円高い
- パスポートを紛失すると損失が大きい
- 顔写真を10年間変えられない
本記事では、パスポート申請で設けられている年齢制限、パスポートの有効期間を決めるポイントを紹介しました。
パスポートは申請日に18歳以上の方であれば5年用と10年用から選択でき、申請日に18歳未満の方は5年用しか選択できません。
10年用は初回の申請手数料が5年用より5,000円高いですが、メリットを考えると申請日に18歳以上なら10年用で申請するのがおすすめ。
パスポートの申請〜受領までは約1週間かかるので、海外渡航の予定がある方は早めに申請しましょう。
パスポートの残存有効期間が1年未満の方は、「パスポートの更新はギリギリだと危険!失敗しない更新時期を紹介」も読んでおくと参考になるはずです。
はじめてパスポートの申請をする方は、「はじめてのパスポート申請完全ガイド!」が参考になるよ