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小豆島の醤油蔵であるヤマロク醤油さんは、「奇跡体験!アンビリバボー」「月曜から夜ふかし」「あさイチ」など、数々のテレビ番組で紹介されています。
ヤマロク醤油五代目山本康夫さんの木桶仕込み醤油への熱い思いや、後世にも木桶仕込み醤油を残していくために行動する姿に感動し、気がつけば小豆島へと向かっていました。
本記事では、下記のような悩みを解決できます。
- ヤマロク醤油の見学のようすは?
- ヤマロク醤油はどんな醤油蔵?
- ヤマロク醤油を訪れる前に知っておくべきことは?
この記事を読めば、ヤマロク醤油の見学のようすを知れるだけでなく、訪れる前に知っておきたい関連知識も把握しておくことができますよ。
まずは「ヤマロク醤油はどんな醤油蔵?」から解説していき、次に「ヤマロク醤油の見学のようす」を写真付きで紹介していきますね。
ヤマロク醤油はどんな醤油蔵?
正確な記録が残っていないため詳しく分からないそうですが、創業は江戸時代の終わり頃~明治初めで創業約150年。
もともとは醤油を搾る前のもろみを卸販売する「もろみ屋」だったそうで、醤油を搾る圧搾機を導入して昭和24年に醤油屋になったそうです。
現在のヤマロク醤油は、五代目山本康夫さんが受け継いでいます。
危機的状況にある木桶仕込みの醤油
江戸時代まで「醤油」「みりん」「味噌」「酢」「酒」などの発酵調味料は、全て木桶にて醸造されていました。
しかし、時代の変化とともに木桶では手間がかかることや生産コストを抑えるために、タンクを使うことが多くなっていきます。
現在では、木桶での醸造が多く残っている醤油と味噌でさえ、木桶での醸造は全体の1%未満というのが現状なんだそう。
先ほど書いた発酵調味料は微生物の発酵によって作られているのですが、美味しい発酵調味料を作るために働いてくれる微生物は、木桶には多く住みつくもののタンクにはほとんど住みつかないんだとか。
そのため、古来から「木桶は最高の醸造容器」なんて言われているそうですよ。
木桶職人復活プロジェクト
木桶にも人間と同じように寿命があり、その寿命は約100年~150年と言われています。
ヤマロク醤油さんで使われている木桶は、戦前に作られたものがほとんどなので、約50年後にはほぼ全ての木桶が使えなくなってしまうんだとか。
しかし、木桶を製造する木桶屋の減少から、醸造用の木桶を製造できるのは大阪にある「藤井製桶所」1社のみ。
将来的に藤井製桶所がなくなってしまうことがあれば、木桶仕込みの醤油・みりん・味噌・酢・酒が消えてしまうことに。
そこで、ヤマロク醤油五代目山本さんは小豆島の若大工2人と共に藤井製桶所へ弟子入りし、自ら発注した新桶3本を使って製作の全工程を教えてもらったそうです。
その後は、木桶職人復活プロジェクトとして木桶仕込みを続ける関係者や業界の枠を越えて集まり、技術を共有して木桶と木桶職人を増やすために毎年1月小豆島で新桶づくりをしています。
ヤマロク醤油を見学してみた【事前予約は不要】
基本的に、もろみ蔵見学はスタッフの方が案内してくれます(見学にかかる所要時間は15〜20分ほど)。
それでは、さっそく中に入ってみましょう。
100年以上前に建てられたもろみ蔵は、国の登録有形文化財に指定されています。
木桶よりも、梁(はり)・土壁・土間のほうが住み着いている菌は多いそうで、その数なんと100種類(酵母菌や乳酸菌など)。
多くの微生物たちが暮らしているもろみ蔵の中は、とても静かでどこか神聖でした。
木桶は三十二石の大杉樽を使用しているそうで、リットルで言うと約6000リットル。
高さが約2メートルの大杉樽が40樽、3分の2〜半分の大きさの樽を28樽所有しているそうです。
写真だとあまり伝わらないかもしれませんが、実際に目の前で見るとかなり大きい。
微生物がびっしり住みついた木桶の側面。
とても失礼なのですが、初めてこれを見たとき「ほこり?」と思ってしまいました。近くでみると、思わず声を出してしまうほど微生物が付いています。
蔵の中にある全ての木桶が写真のようになっており、蔵中のいたる所に微生物が住みつき満室状態。
ちょっと可愛いなって思ったのが、微生物って人間が見ていないと仕事サボるそうなんです。
微生物も仕事するのめんどくさいんですね。
木桶を上から覗くこともでき、発酵によってぷくぷくと空気が出ているのを確認できます。
撮影する際は、木桶の中にカメラなどを落とさないように注意してください。
自社商品の「菊醤」「鶴醤」を味見できる
ヤマロク醤油さんで製造している醤油は下記の2種類。
あっさりとしたキレのある旨みが特徴の「菊醤(きくびしお)」に対して、2倍の原料と歳月をかけた深いコクとまろやかさが特徴の「鶴醤(つるびしお)」。
その他にも、うどん・蕎麦の出汁として最適な菊醤ベースのコク旨だし醤油である「菊つゆ」、天然醸造醤油にすだちとゆずの果汁を通常のぽん酢よりも多く使った「ちょっと贅沢なぽん酢」なども販売。
気になる商品があれば、味見もできちゃいます。
普段使っている醤油のしょっぱさがなく、とてもまろやかな感じがして美味しかったです。
醤油を使った料理を楽しめる「ヤマロク茶屋」
軒先スペースには、ヤマロク醤油さんの醤油を使った料理やデザートが食べられる「ヤマロク茶屋」が併設。
その中でも、バニラアイスの上に鶴醤をかけて食べる「醤油アイス」は人気メニューとなってます。
「醤油とアイスなんて合うわけないでしょ…」と思うかもしれませんが、実際食べてみるとこれが結構美味しい。
アイスの上には、鶴醤の塩分を使って仕上げた香り高い上品な味の最高級丹波黒豆の甘煮が乗っていました。
ただ、ほとんどのメニューは土日祝でないと注文できないのが残念…。
アイス以外のメニューも狙うなら、土日祝に訪れるのがオススメ(予告なしにメニュー変更している場合があります)。
ヤマロク茶屋の横には、番組の撮影やプライベートで訪れた有名人のサイン色紙がたくさん展示されています。
ヤマロク醤油への行き方
「草壁港」「坂手港」が最寄りの港となり、草壁港から車で約8分、坂手港から車で約12分の場所にあります。
オリーブバスを利用する方は、安田上停留所または安田停留所でバスを降り、安田上から徒歩約10分、安田から徒歩約20分です。
ただし、バスは1時間に1~2本しか運行していないため、行き帰りの時間は必ずチェックしておきましょう。
ヤマロク醤油には無料駐車場が10台分完備されていますが、旅行シーズンなどは満車になってしまうこともあるので注意(近くにコインパーキングなどはありません)。
ヤマロク醤油を訪れる前に知っておくべきこと3つ
事前に知っておきたい情報は下記3つ。
- 事前予約なしで見学OK
- 見学前に納豆は食べないようにする
- 小豆島へはレンタカーで行くのがオススメ
その①:事前予約なしで見学OK
もろみ蔵を見学するための事前予約などは必要ありません(見学希望人数が多い場合、他の方と合同の見学となります)。
おそらく団体とかでない限り、事前予約を受け付けていないとも思います。
小豆島にある他の醤油蔵は、事前予約が必要なところばかりなので、事前予約なしで見学できるのは嬉しいですね。
ただし、旅行シーズンはヤマロク醤油を訪れる人も多く駐車場も限られているため、時間に余裕を持って訪れるようにしましょう。
その②:見学前に納豆は食べないようにする
もろみを育てる酵母菌や乳酸菌は、「熱」「乾燥」「塩分」に強く、他の菌が死滅する環境の中でも生き抜ける強い菌らしいのです。
しかし、唯一納豆菌だけには弱いそうなので、見学する前に納豆は食べないようにしてください。
ルールを守らない人が多くなれば、醤油蔵の見学もできなくなってしまうかもしれません。
この先も多くの人が見学できるように、しっかりとルールは守るようにしましょう。
その③:小豆島内の移動はレンタカーがオススメ
小豆島内の移動は、下記3つの方法があります。
- オリーブバス:運行本数が少ないです
- タクシー:運賃が高いです
- レンタカー:利便性が高く料金も安いです
一番オススメなのは、利便性の高いレンタカーを借りてしまうことです。
小豆島内で借りることもできますし、各港から小豆島まで運航している定期船にレンタカーや自家用車を乗船させることも可能。
ただし、定期船によっては車の乗船をさせることができないため、事前に確認しておくことが大切。
神戸⇔小豆島へ行く方は、下記の記事も参考にしてみてくださいね。
神戸から小豆島を結ぶ大型フェリーに乗ってみた【乗船の流れも解説】
まとめ:小豆島へ行ったらヤマロク醤油を見学してみよう!
今回は、ヤマロク醤油さんの見学をご紹介してきました。
醤油屋である山本さんが木桶作りまで学んだように、後世へなにかを残していくためには、自分の専門的なことだけを伝えれば良いというわけではないのかもしれません。
藤井製桶所だけでなく、いまの日本では歴史ある伝統技術の後継者不足が深刻な問題となっています。
簡単に解決できるような問題ではありませんが、なるべく多くの伝統技術が後世へ受け継がれてほしいなと思います。
施設名 | ヤマロク醤油 |
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住所 | 〒761-4411 香川県小豆郡小豆島町安田甲1607 |
電話番号 | 0879-82-0666 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
駐車場 | 10台 |
注意事項 | 酵母菌・乳酸菌を守るために、見学前に納豆を食べるのはNG |
公式HP | http://yama-roku.net/index.html |